Notebook Webでタグ「比較」が付けられているもの

Nikonの大三元レンズの70-200がリニューアルしました。
作例の写真を見てピンと来たので、思い切って70-200 F4を売り、
そのお金を足しにして、購入に踏み切りました。
試写しましたが、期待を上回る素晴らしい写りをします。

本記事では、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VRの魅力のうち、
その描写力に関してお伝えしたいと思います。


1) 相対的な評価

所持する中望遠域レンズ4本で撮り比べをしました。
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR
Milvus 2/100M ZF.2
AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G
SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD


■撮影方法
 1/350、F2.8、ISO200で撮影。
 ※70-200mm f/2.8Eについては、85mm相当に調整。

 公園の一角に三脚を構え、レンズを交換しながら撮る。
 ※画角が少し違うので、その都度アングルを微調整している。

 ピントはライブビューを使い、MFで木の幹に合わせる。

■全景
70-200_全景.jpg
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

Milvus_全景.jpg
Milvus 2/100M ZF.2

85_全景.jpg
AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G

tam9_全景.jpg
SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD

色の出方が多少異なるようです。
70-200とMilvusについては、全体的にシャープです。

続いて、ピントを合焦部を拡大してみます。

アップ70-200.jpg

アップMilvus.jpg

アップtam9.jpg


「大三元レンズは、単焦点を上回る」なんていう言葉をよく聞きますが、
明らかにAF-S NIKKOR 85mm f/1.8Gの上を行く解像力になっています。
Milvusについては、味で魅せるレンズなのに解像度も素晴らしいですね。

続いて、作例です。


2) 作例
こちらは、全て手持ちで撮りました。絞りは開放です。
手ぶれ補正も非常にハイレベルです。

DSC_4060_600.jpg

DSC_4072_600.jpg


撮影していて気が付くのは、絞り開放でも滲みが感じられないことです。
次の写真では、赤枠の部分にピントを合わせています。

ススキ.jpg

赤枠を拡大します。

ススキ拡大.jpg


望遠端、開放、手持ちとは思えない描写力です。
AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VRも素晴らしいレンズでしたが、
このレンズは新次元の性能だと感じました。

機会があれば、絞った場合での比較もしてみたいと思います。

GT2545TとGT2542Tの比較・レビュー

|

Gitzoの2型トラベラーといえば、私のような山野をフィールドにするカメラマンが一度は気になる三脚だと思います。
その2型トラベラーが3年ぶりにモデルチェンジしました。

現行型のGT2542Tは発売当初から気になっていたモデルでしたので、その後継モデルとなる新型のGT2545Tには注目していましたが、仕様よりも何よりも先に目に飛び込んできたのが大幅な価格改定。
為替の影響も大きいのだと思いますが、約4万も値上げになっています。

こんなに値上がりするんじゃ、値上がり前の現行モデルを買ってしまえ?。
そう思って量販店に行ったところ、なぜか発売日前のGT2545Tが販売開始されていました。
せっかくだからとお試しで両モデルを店頭で触ってみたところ・・・、持ち帰ったのは新型の方でした。
価格改定に落胆して着目していなかった仕様差異が思いのほか大きかったからです。

GT2545T

本記事では、GT2542TとGT2545Tの比較を通じて、GT2545Tの良さについて簡単にまとめてみました。


さて、新型のGT2545Tですが、現行型のGT2542Tと2つの点で大きな差があります。
私の場合、新型を選んだ決め手はこの2つだけです。

1点目は、伸長(全伸高)です。
身長175cmの私の場合、現行モデルは脚を目一杯伸ばして、かつエレベーターを一杯まで伸ばしてもアイレベルに届きません。
常に腰を屈めて撮影をすることになります。
これは良い写真を撮る上で好ましいものとは言えず、これまで購入に踏み切れなかった主な問題でした。

新型モデルでは、脚のロック機構を改善することによって、縮長(格納高)をほとんど変えずに伸長を約10cmも高くしています。
このため、アイレベル確保はもちろん、エレベーターを伸ばしきるような運用を避けることもできるようになりました。
三脚比較表.png

比較表を良く見て頂けるとお分かりになるかと存じますが、GT2545Tはマウンテニア2型に匹敵する伸長を実現しています。
敢えて言えば、携行性の良さと引き替えに高さを犠牲にした「トラベラー」モデルから、「コンパクトに畳めるマウンテニア」へ進化しています。

[左から、マウンテニアGT2541、トラベラーGT2545T、ベルボン UT-63Q]
DSC_2641_FULL_Sig.jpg


2点目は、剛性です。
現行のGT2542Tと新型のGT2545Tを上からぐっと押さえつけてみると、剛性の違いに驚かされます。
前者がしなるのに対して、後者は硬く反発します。
まるでマウンテニア2型と3型のような違いに感じました。

絶対値としてどこまで剛性が必要なんだ。という点は議論の余地があります。
ただ、ボディ+所有レンズのほとんどの構成がほぼ2kgであり、望遠を多用する私にとっては素晴らしく魅力的に映る事実でした。

店頭では、GT2545TはGT2542Tと比較してパイプ系が1mm増している他、新しい素材であるCarbon eXactが利用されており、こうした積み重ねによるもので剛性が増しているとご案内を頂きました。
また、1点目の改善により、エレベーターの利用も限定的になるため、こうした点も安定性に寄与しています。

[縮長はそのまま、パイプ径は太くなりました]
サイズ

こうした改善を見ると、トラベラーシリーズが本モデルにおいて素晴らしい進化をしたと感じられます。
絶対額としての新型モデルは決して安くはありませんが、価格差分の価値は認められました。


尚、GT2542Tと変わった点として、付属品に純正の三脚ストラップが付属します。
そして、なんとショートポールが付属してきました。
脚だけで高さが稼げるようになったからでしょうか。
付属品

トラベラーモデルに興味があり、D800,EOS 5Dクラスのカメラをお持ちの方には、店頭で触ってみることをお勧め致します。
現行型のGT2542T
新型GT2545T

尚、雲台はやっぱりMarkins Q3iTRがピッタリ合うので、合わせ買いしました。

SDカード比較 : Lexar と SanDisk

|

普段、カメラ用のメディアでLexarブランドを愛用しています。

メインカメラではCFを利用していますが、Lexarと相性が良く、
これまでデータ破損などのトラブルに遭ったことがないためです。

先日購入したサブカメラがCFに対応しておらず、SDのみの対応でしたので、
迷わずCFで愛用しているLexarを購入致しました。

ところが、なんと最初の撮影でデータ破損が起こってしまいました。
それも50ショット程度で2枚発生しています。

零下での撮影でしたので、その影響かもしれません。
ただ、利用するカードを見直す必要性を感じました。


Webで調べたところ、LexarのSDは書き込みの性能が低く、
SanDiskの方が評価が高いということでしたので、
早速、SanDiskのSDを購入致しました。

1000ショット以上撮影していますが、トラブルは発生しておりません。
満足しています。


このような事情により、2大メーカーのSDカードが揃いましたので、
参考のために、ベンチマークを取ってみました。

?Lexar Professional 600x SDHC UHS-I 32GB
Lexar SD

?SANDISK Extreme PRO SDHC UHS-I 32GB
SanDisk SD

リードはどちらも大差ありませんが、
シーケンシャルライトと512KBの書き込みで、
SunDiskがLexarを大きく引き離しています。

デジタルカメラはシーケンシャルライトの比重が高いため、
これが性能差に直結します。
カメラ用として見ると、Lexarの方が性能が劣っています。

なお、この検証によりわかったこととしては、
LexarよりSanDIskの方がシーケンシャルライト性能が高い
ということだけです。

ファイル破損の原因がこの性能差にあるのかを確かめることは
目的としておりませんので、ご留意ください。


参考までに、愛用のLexar CFのベンチマークも取ってみました。

?Lexar Professional 1000x CF 32GB
Lexar CF

こちらは圧倒的ですね。安心しました。

スノーシューの比較(AtlasとMSR)

|


昔から厳冬期に好んで撮影に出かけておりますが、何年か前からはスノーシューを履いて雪原を歩くようになっています。

毎回、レンタルするよりはと思って、中古で購入したスノーシューの課題も見えてきたため、今後のことも考えて買い直ししました。

DSC_1130_FULL_Sig.jpg


これまで利用していたスノーシューは、Atlasの1225というモデルです。
この1225は伝統的な型番で、複数のモデルが存在します。
私のものは、ホームページを探しても出てこないような旧型のモデルですが、
平坦な雪原を歩く分には十分な走破性能があります。

課題になるのは、1点。
坂道で課題がありました。

ヒールリフターが無いため、登りが非常に辛く、
下りは、クランポンで体重を支えられず、滑るのです。
つまり、斜面の走破能力が思いのほか弱かったのです。


ここを改善点として、購入を検討したのが次の3つです。
Atlas アスペクト24
Atlas スピンドリフト24
MSR ライトニングアッセント25


いずれもヒールリフターがあるモデルです。

ライトニングアッセントは非常に定評のあるスノーシューで、スノーシューのエッジが雪に食い込む構造になっており、面で雪を捉えます。
パイプ型のAtlasより、斜面に強いことは見て取れます。

アスペクトは、ラインニングアッセントのエッジの構造に倣い、登攀性能を向上したモデルです。
青いフレームと涙型の形状に心を惹かれます。

スピンドリフトは、アスペクトのバックルをよりしっかりとしたものに変えたモデルで、基本的な性能は変わりありません。


比較検討を行うにあたり、重んじたポイントがヒールリフターの使いやすさと重さです。

まず、アスペクトとスピンドリフトを比較しました。
いずれもAtlasのモデルで、構造も良く似ています。

アスペクトのバックルは、ゴムバンドで靴を締めるような使い方をします。
バンドだけでスノーシューを固定するため、しっかりとしたバックルのあるものと比べると固定力に不安がありました。

ところが、実際に試着してみると隙間無くしっかりと足に吸い付き、型のあるバックルで固定をするスピンドリフトと比較しても、固定力は非常に満足いくレベルにありました。
そして、バックルがバンドになったことにより、スピンドリフトより大幅な軽量化を実現しています。

この時点でアスペクトに軍配が上がりました。
非常に魅了的なモデルです。


次に、このアスペクトとライトニングアッセントの比較を行いました。
Atlasの新型スノーシューは、MSRに似たエッジの構造をしており、旧モデルのように下り斜面でズルズル落ちてくるようなことは無さそうです。

また、踏み出しの際に、Atlasはパイプのテールがグッと下がるため、足運びがしやすくなっています。
見た目も良く、いいモデルを出してきたもんだと思いました。


しかしながら、致命的な欠陥があることがわかり、購入に至ったのはライトニングアッセントでした。

寝ているヒールリフターを持ち上げるのに、かなり強い力が必要で、スノーシューを履いたままでヒールリフターの引き上げをしようとすると、ヒールリフターどころか、スノーシューのテールが上がってしまうのです。
スノーシューを履かないといけないような場所で、スノーシューを脱いで、ヒールリフターを上げるなんていう行為ができるわけもなく、残念ながら購入を断念致しました。


尚、ライトニングアッセントには、22インチのモデルと25インチのモデルがあります。
スペックを見ると、成人男性であれば25インチモデルが最適とされていますが、実際のところは平均的な身長・体重であれば、22インチでも問題が無い。という説明を受け、22インチを購入しています。
サイズが小さい方が取り回しがしやすいからです。

22インチと25インチでは、重さはほとんど変わらず、価格も一緒ですので、お好みで選んで頂ければ良いと思います。

ハーフNDの効果

|

緑の草原に広がる青い空と入道雲。。。
いかにも夏らしい写真です。

ハーフND有り

ところが、いざこういった写真を撮ろうとしても、中々うまく撮ることができません。
空と地面の明暗差が大きいため、空に露出を合わせると、地面が暗くなり、
地面に露出を合わせると、空が白飛びしてしまうからです。

こういった状況において、活躍するのがハーフNDです。
ハーフNDはその名の通り、フィルタの半分の面積だけ減光効果を持つ特殊なフィルタです。

ハーフNDには、大きくわけて2つの種類があります。

?ハードタイプ
減光領域と透過領域の境がはっきりしています。
水平線を境にフィルタ効果を分けたい場合などに向いています。

?ソフトタイプ
境がなだらかなグラデーションのものです。
山の端などの境が直線上では無い場所でフィルタ効果を分けたい場合に使います。

また、それぞれのフィルタは1段減光、2段減光、3段減光といったようにバリエーションが用意されています。


私が使っているハーフNDは、次の2つです。
LEEフィルター ハーフND ハードタイプ 0.6(2段減光)
LEEフィルター ハーフND ソフトタイプ 0.9(3段減光)

フィルタ
※効果を分かりやすくするために、液晶モニタを背景にしています。

境の部分に注目すると、効果の違いが分かりやすいと思います。

こちらはソフトタイプ。境がグラデーション。
ソフト 0.9

こちらがハードタイプ。はっきりしていますね。
ハードタイプ 0.6


通常はこれをホルダーに挟んだ上で、レンズに取付けて利用します。
私は横着をしているため、手差しで利用しています。


さて、実際の効果は写真を見て頂いた方が良いでしょう。
場所は長野県の美ヶ原高原、撮影は7月下旬です。
露出はマルチ測光で全体のバランスを見ています。


ハーフNDを付けずに、普通に撮ると次のように映ります。

ハーフND無し
雲の存在感は出ていますが、草原が暗いトーンになり、単調な印象になってしまっています。


一方、ハーフNDを使った場合の写真がこちらです。
ハーフND有り

この写真では、ソフトNDを使っています。

0.9はちょっと効果が強すぎたようですが、空と草原の両方が強調されていることがよくわかるかと思います。

うまく使いこなせば、通常では撮れない印象的な写真を狙えるのがハーフNDの最大の魅力です。


国内で手に入るハーフNDは、主に3社あります。
Kenko製・・・最も安い。境の処理が良くない。
cokin製・・・手に入りやすい。値段はkenkoより高いが、性能は十分。
LEE製・・・手に入りにくい(ヨドバシなどでは店頭に出しておらず、訊くと倉庫から在庫を出してくる)。価格は高いが、質は素晴らしい。

お勧めは cokin か LEE のフィルタです。
どちらも高いですが、変な癖が無いため、後で後悔することがありません。

また、サンプルの写真でもわかるように、3段減光は効果が非常に強いため、使い勝手があまり良くありません。
1段減光や2段減光がお勧めです。

LEEフィルター ソフトタイプ 1段減光
LEEフィルター ソフトタイプ 2段減光
LEEフィルター ハードタイプ 1段減光
LEEフィルター ハードタイプ 2段減光

ハーフNDは、アクセサリの中でもやや高い分類に入ります。
ただ、作例で見て頂いた通り、確実に効果が見込める品でもあります。
作品のレベルアップのために、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

【比較】Nokton 58mm/1.4 と Sigma 50mm/1.4

|

D700でメインで利用している標準単焦点は2種類。

『Voigtländer Nokton 58mm F1.4 SL II』
『Sigma 50mm F1.4 EX DG HSM』

50mm と 58mm。
ほぼ同じ画角とは言えど、レンズメーカーが違えば、写りも違います。

一般的にNoktonは、味わい深い絵になり、
Sigma は高解像度でクリアな絵になる。
そういうことは購入前にもわかっていましたし、
実際に出てくる絵を見てもそう思います。

・・・が、きちんと写りを比較したことは無かったので、
時間を作って絵の比較をしてみました。

比較と言ってもシンプルです。
三脚にカメラを固定し、レンズを交換して、
それぞれ f1.4(開放) , f2.8 , f16(絞り最大)で
撮影を行いました。

ピクチャースタイルは階調がわかりやすいおとなしいもの、
WBは太陽光固定としています。


■ f1.4 での比較
1) Nokton
Nokton f1.4

2) Sigma
Sigma f1.4.jpg

3) コメント
本当に同じカメラか?というほど、絵が違います。
Noktonのボケは大変柔らかに消えていきますが、
Sigmaのそれは紅葉が浮き立つようにすっきりしています。


■ f2.8 での比較
1) Nokton
Nokton f2.8

2) Sigma
Sigma f2.8

3) コメント
f2.8まで絞っても傾向は変わりません。
デジタル時代の解像度とダイナミックレンジに優れたSigmaと
フィルムを感じさせるとろけるような階調のNokton。


■ f16 での比較
1) Nokton
Nokton f16

2) Sigma
Sigma f16

3) コメント
絞り最大での絵は、Sigmaのクッキリとした映りが目につきます。
とはいえ、絞り開放が一番差が大きいようです。


以上、簡単な撮り比べでしたが、
現代的な絵のSigma と 雰囲気重視の Nokton の
両方の特徴がよくわかる比較になったと思っています。

Noktonの作例は当ホームページ上でも載せておりますが、
大変こってりとした深みのある写真になります。

今のデジタル時代では、解像度重視のレンズは多数ありますが、
Noktonのような味わい重視のレンズはあまり見かけません。
仕上げの良さやヘリコイドの滑らかさも秀逸です。

個人的には、Noktonのようなレンズを持つのは
表現の幅が広がって、面白いと思っています。

それほど高いレンズでもありませんので、
ラインナップに加えてみてはいかがでしょうか?

Voigtländer Nokton 58mm F1.4 SL II

Sigma 50mm F1.4 EX DG HSM


一眼デジカメに初めて手を出そうとされている方向けに
写真撮影の基礎知識やテクニックの公開を行います。

時間のある時、気が向いた時に更新を行います。
そのため、更新は不定期な点をご理解下さい。

- - - - - - - - - -

写真の世界に入られるにあたって、カメラに何を選ぶかという点は重要です。

当然、目的や予算によって、最適な機材が変わりますので、
最初にこれらの違いについて理解したうえで、撮影に臨むと後々後悔しません。
そこで、まず初めに、機材を比較するポイントについて説明を行いたいと思います。

1) センサーサイズ
デジタル一眼における大まかな分類は、
レンズからの光を受光するセンサーサイズによって行われることが一般的です。

センサーサイズを大まかに分けると、次のように分類できます。
・コンパクト(1/1.8 ? 1/2.3インチが代表的)
・フォーサーズ
・APS-C
・フルサイズ

図1. センサーサイズの違い

センサーサイズの違いは、写真の写りを左右する大きな要素です。
基本的にはセンサーサイズが大きい方が写りに対してプラスに働くと考えて、差し支えありません。

その観点で、図1をご覧下さい。
コンパクトとフォーサーズとの間において、大きなサイズの違いを認められると思います。
この差は大変大きく、解像感や色乗りといった基本的な実力の違いに影響しています。
『ボケ』などの基礎テクニックを使うためにもフォーサーズ以上のセンサーを選ぶべきでしょう。

他方、APS-Cとフルサイズとの間のセンサーサイズの違いも大きく見えます。
この差は実質的には大きくありません。
センサーサイズの違いは、絶対量ではなく、相対的な倍率で見るべきだからです。
コンパクト:フォーサーズは、1:3ですが、APS-C:フルサイズは、1:1.5となり、センサーの大きさは0.5しか変わりません。

一般的にはAPS-Cクラスであれば、風景撮影用として十分な画質が得られます。
基本的な性能が優れているのはもちろんですが、交換レンズなどのオプション品の充実度や
周りにユーザが多いという観点からも、最初はニコンかキャノンをおすすめします。

- - - - - - - - - -

■価格と性能のバランスに優れた扱いやすいミドルクラス


■入門機として評価の高いX4

■手軽に持ち運べるものであれば、フォーサーズも選択肢となります。

【比較】Nokton 58mm/1.4 と Nikkor 50mm/1.4

|

D700にNokton 58mmを付けて試し撮りしてみました。

このNoktonは、元々F3用として購入したものなのですが、
肝心なF3の調子が悪くなってしまったため、
購入後からレンズが寝かされていました。

D700の標準ズームもやっと撮り慣れてきたところなので、
ここらで短焦点でも触ってみようかと持ち出しした次第です。


Noktonは、開放付近で柔らかなボケが楽しめます。
ニッコールレンズのボケとは異なる、この味わいが魅力で、
わざわざ標準画角を買い足した経緯があります。

そのため、この味がD700でどのように出てくるかが
大変興味のあるポイントです。


さて。撮って出しの写真が以下の3枚です。

SMALLDSC_0677_046.JPG

SMALLDSC_0672_047.JPG

SMALLDSC_0688_045.JPG
※この1枚は別の日。

午後の少し遅い時間に撮影したこともあって、
夕方前の穏やかな陽射しが色に乗ってきています。

肝心なボケですが、フォーカスを合わせた点から、
滑らかに像が滲んでいくのがわかります。
この優しい絵が目指すものです。合格ですね。


同じ被写体を他のレンズで撮り比べてみます。
Noktonの独特な味わいがわかりやすいと思います。

01NOKTON.JPG
Nokton 58mm/1.4

02Nikor 50mm.JPG
Ai-s Nikor 50mm/1.4

ニッコールレンズで撮ると、全体的にクリアに表現され、ボケも綺麗に消えていきます。
一方、Noktonでは濃淡があり、溶けるように表現されます。


どちらが良いというものではありませんが、
ボケの出方から、ポートレートにはNokton、
草花の写真にはニッコールが良いかなぁと思いました。


参考までに、他のレンズでの写真も載せておきます。
※前の2つよりも暗いレンズなので、開放でも被写界深度が深くなります。

03Nikor 55mm.JPG
Ai-s Micro Nikor 55mm/2.8

04Tamron.JPG
Tamron SP AF28-75mm/2.8 XR Di LD Aspherical


ところで、初めてNoktonを使った際に、
ファインダー上では、ピントを合わせているのに、
写った写真上では派手な前ピンになる現象が発生しました。

どうやら、そのままだとレンズとボディで
フォーカス位置が一致していないようですね。

純正のニッコールレンズでは無いので、
こういうこともあるんでしょう。

こういう時は、D700のAF微調整機能を使って、
フォーカス位置を合わせることができるので、活用されて下さい。
※私の機材の場合、-4調整して丁度良くなりました。

フィルムカメラから、D700へ

|

奥日光へ撮影旅行に出掛けました。

直前にF3の不調が発覚し、急遽D700を購入して、
デジタル移行を行った上でのチャレンジです。

従って、操作系すらおぼつかない、
試し撮りを兼ねた撮影旅行となりましたが、
触った感触をお伝えしたいと思います。


評価の前に。

いろいろありまして、
デジタル一眼は以下の4台を保持しています。
Nikon D40
Nikon D700
Canon 50D
SONY NEX-5

時折出てくる比較評価は
これらの機種との比較になります。


■写り

まずは気になる画質ですが、
デフォルトのピクチャーコントロールだと
D40に近い鮮やかな色が出ます。

湯川

特にアクティブダイナミックライティングを有効にすると、
この傾向は顕著になるようです。

白樺


「派手な色が出る」と評価される方もいらっしゃいます。

私としては、嫌いじゃない鮮やかさではありますが、
後で編集することを考えると、少し落ち着いた色使いの
ピクチャーコントロールを選んでおく必要があるように思いました。

色については、EOS 50Dの方がより鮮やかな表現がされます。
比べると、NEX-5は淡い色使いですね。↓(奥日光ではないですが、参考まで)
NEX5


■操作性

次に操作性ですが、D700は快適の一言。
ファインダーから目を離さずに、基本的な操作が実現できます。

シャッタースピードと絞りが表示されるのは当然として、
露出調整の±、ISOがファインダー内に表示されます。

特に、ホワイトバランスや水準表示まで
ファインダーだけで確認可能なのは非常に優れものです。

また、これらのパラメータ変更について、
特定のボタンと組み合わせることにより、全てダイヤル操作で実現してます。
この快適性は、他のモデルを大きく引き離しています。

自然と撮影後のプレビューを見たい時のみ、
ファインダーから目を離すスタイルになりました。


■使用感

まず思うのは、ズシリと重いボディです。

カメラに重さがあると持ち歩きには不向きですが、撮影時の安定感はあります。
使用しているレンズが軽いモデルなので、バランスは悪くありませんでした。

また、シャッター音も心地よい音が鳴るため、
前述の操作性の良さと相成ってテンポ良く撮影できました。

一方、利便性という意味では、ミラーレスのNEX-5の方が上です。
液晶のチルトは上下にできますし、何しろ軽いので。
出来上がりの図が撮る前にわかるのも凄いところですね。

D700とNEX-5の組み合わせであれば、
使途をうまく分けられると思いました。


■課題点

全体的に非常に好感触なモデルですが、
何点か課題に感じる点もありました。


対応メディアがコンパクトフラッシュのみなのです。

コンパクトフラッシュが信頼性や転送速度の点から、
SDカードよりも優れていることはわかりますが、
ほぼ全てのノートPCでSDカードリーダーが標準的に搭載されているのに対し、
コンパクトフラッシュのリーダーは必ず外付けになります。

我が家のように頻繁にPCを移動するスタイルの場合、
リーダーの扱いが面倒に感じます。


また、交換レンズの幅が選択肢が少ないのも課題となります。
旧型のレンズがそのままの画角で使い回せるのは大変なメリットだと思いますが、
一方で、フルサイズ対応の新型レンズはどれも高価で、
手が出しにくいところにあります。

DXフォーマット専用レンズの方は廉価なモデルも多く、
店頭で羨ましくなることがあります。


■まとめ

課題はありつつも、このクラスにしたら小型のボディに
充実の仕様を詰め込んである本機器は優れたモデルです。

操作性や使用感も高いレベルで満足させており、
ニコンのノウハウが注ぎ込まれていると感じました。

写りについても、万人受けする色使いがされていて、
JPEG撮ってだしでも、十分見せられる絵が出せると思います。

一方、重量や交換レンズの点で、取扱いしづらい点もあるので、
NEXやPENなどのミラーレスを併用することが
快適な写真ライフを送れるコツでは無いかと思いました。

【比較】Planar 50mm/1.4 と Nokton 58mm/1.4

|

フジヤカメラで標準レンズの撮り比べをしました。

レンズは、名玉と呼ばれる以下の2つです。
●カール・ツァイス Planar 50mm/1.4 ZF.2
●フォクトレンダー Nokton 58mm/1.4 SLII


同じコシナ製レンズですし、レンズの構成も同じということで、
写りも似たようなものかと思っていましたが、
思いのほか、趣向の異なるレンズの様です。

サンプルは、いずれも開放端での撮影です。
画角の違いはカメラ位置を動かして調整しています。
※絞った写真も撮ったのですが、店内で手持ちだったため、
 手振れが酷すぎて見せられたものじゃありません。


1.展示ケースの角) Planar 50mm/1.4 ZF.2
01.Planar.jpg

1.展示ケースの角) Nokton 58mm/1.4 SLII
01.NOKTON.jpg

Planarの方は画面右端のボケが顕著です。
一方、画面中央のフレーム角の左側(ボケている床)のボケ味を見ると、
Noktonの方が気持ちよい表現になっています。


2. カメラケース) Planar 50mm/1.4 ZF.2
02.Planar.jpg

2. カメラケース) Nokton 58mm/1.4 SLII
02.NOKTON.jpg


同じ1.4のレンズではあるのですが、
Planarの方が被写界深度が非常に浅い印象です。
フォーカスを合わせるのに慎重になりました。
その分、ボケも盛大に出ています。

Planarのボケはふわっと消えていくように滑らかに融けていきます。
一方、Noktonはすっとした感じで落ち着いた味わいを見せます。

個人的にはNoktonのボケの方が好みです。


また、コーティングの違いによるものか、
Planarの方がイエローが強く出るようです。
この辺りは被写体によって、好みが分かれるところでしょう。

あくまで「試し撮り」の撮影なので、
これ以上の比較はできませんでしたが、
限られた間の撮影でも、これだけの差がわかるとなると、
フィールドではずっと異なる味わいが
楽しめるのだろうと思いました。


比べてみて、自分で使うとしたら、Noktonだと思いました。
写りの傾向の好みもありますが、2万以上の値差があることを考えると、
Noktonのパフォーマンスは非常に高いと感じます。
COSINA VoightLander NOKTON 58mm F1.4 SL II
COSINA Zeiss PLANAR T*1.4/50mm ZF.2

【比較】Sony E18-55mm/3.5-5.6 と planar 50mm/1.4

|
せっかく期待のツァイスレンズを購入したわけですので、
標準レンズとの撮影比較を行なってみました。

NEXのレンズはズームレンズを使います。
広角レンズの方はパンケーキパンケーキ叫ぶ消費者のために
「おまけ」で作った感の強いレンズでして、
正直、力を入れたレンズとは思えないからです。

さて、では標準ズームレンズのサンプルです。

sony.jpg

ハイライトが飽和している雰囲気はありますが、
華美な表現も無く、バランスは良いように思いました。
ただ、全体的に黄色っぽくなる傾向があるようです。


さて、ではplanar 45mmではどうでしょうか?

planar.jpg

レンズが明るい分、絞りを稼げているので、背景のボケが綺麗に出ています。
なのにも関わらず、花びら周辺のピントが標準レンズよりもキリリと締まっています。

また、アンダー部分の処理もplanarの方が優れているようです。
左下のプランターの土や右下の葉っぱの下などを見てみると、
標準ズームでは色が潰れてしまっているところがきちんと描かれています。

色の表現もplanarの方が優れています。
葉っぱの緑はこちらの写真の方が現物に近い発色でした。



■総括
まともに勝負させると、planarの写りに軍配が上がります。

ただ、標準レンズの方も思ったりは悪い映りではありません。
携行性やズームの汎用性を考えると使いやすいレンズだと思います。

また、このplanarは絞りによって、コントラストが激しく変動する傾向があります。
開放のF2?2.8 の映りと 5.6?8 の映りではコントラストに明確な違いがあり、
撮るシーンを選ばざるを得ないレンズのようです。

これ一本あれば全部オッケーというレンズではなさそうなので、
標準レンズとセットで持ち歩くのが正しい運用のように思いました。

【比較】NIKKOR 18-55mm と 35-135mm と Micro 55mm

|
写真の主な被写体は植物なので、マクロを多用します。
今週、定評ある55mmのマクロレンズが拡充されたので、撮り試し。
せっかくなので、他のレンズとの比較を行ってみました。

■撮影条件
 Nikon D40 を使って、 MFモード で撮影。
 絞りはマクロレンズ系は4で固定。他のレンズは最大値まで開放する。
 シャッタースピードは絞りに応じて、適宜調整する。
 三脚は使わず、手撮りで撮影。
 5枚撮影し、一番良さそうなものをピックアップ。
 ワーキングディスタンスの違いは、自分が動いて調整。

1) AF-S NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 GII ED ( D40 のレンズキット品 )
090215_AFSZoom.jpg

2) Ai-S Zoom-NIKKOR 35-135mm F3.5-4.5
090215_AiSZoom.jpg

3) Ai-S Micro-NIKKOR 55mm F2.8
090215_AiS55mm.jpg

4) Ai-S Micro-NIKKOR 105mm F2.8
090215_AiS105mm.jpg



比較すると、ズーム系の2本はねむい仕上がりになる傾向が強いようです。
一方で、Micro-NIKKORは明るいレンズのため、シャープでキリリとした印象。

ボケの美しさはMicro-NIKKOR 105mmが一番のように見えます。
この辺りは望遠の強みでしょうか。

一方で、解像度については55mmも優れており、細部までクリアに表現できています。

高山植物を撮るときは被写体にかなり接近して撮ることが多く、
105mmだけだとやや撮りにくいことがありましたが、55mmと併用すればかなり万能に立ち回れそうです。

実力派のニコンらしい、良いレンズですね。
Class10 32GBでこの価格とは。

タグ