レンズの最近のブログ記事

Nikonの大三元レンズの70-200がリニューアルしました。
作例の写真を見てピンと来たので、思い切って70-200 F4を売り、
そのお金を足しにして、購入に踏み切りました。
試写しましたが、期待を上回る素晴らしい写りをします。

本記事では、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VRの魅力のうち、
その描写力に関してお伝えしたいと思います。


1) 相対的な評価

所持する中望遠域レンズ4本で撮り比べをしました。
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR
Milvus 2/100M ZF.2
AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G
SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD


■撮影方法
 1/350、F2.8、ISO200で撮影。
 ※70-200mm f/2.8Eについては、85mm相当に調整。

 公園の一角に三脚を構え、レンズを交換しながら撮る。
 ※画角が少し違うので、その都度アングルを微調整している。

 ピントはライブビューを使い、MFで木の幹に合わせる。

■全景
70-200_全景.jpg
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

Milvus_全景.jpg
Milvus 2/100M ZF.2

85_全景.jpg
AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G

tam9_全景.jpg
SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD

色の出方が多少異なるようです。
70-200とMilvusについては、全体的にシャープです。

続いて、ピントを合焦部を拡大してみます。

アップ70-200.jpg

アップMilvus.jpg

アップtam9.jpg


「大三元レンズは、単焦点を上回る」なんていう言葉をよく聞きますが、
明らかにAF-S NIKKOR 85mm f/1.8Gの上を行く解像力になっています。
Milvusについては、味で魅せるレンズなのに解像度も素晴らしいですね。

続いて、作例です。


2) 作例
こちらは、全て手持ちで撮りました。絞りは開放です。
手ぶれ補正も非常にハイレベルです。

DSC_4060_600.jpg

DSC_4072_600.jpg


撮影していて気が付くのは、絞り開放でも滲みが感じられないことです。
次の写真では、赤枠の部分にピントを合わせています。

ススキ.jpg

赤枠を拡大します。

ススキ拡大.jpg


望遠端、開放、手持ちとは思えない描写力です。
AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VRも素晴らしいレンズでしたが、
このレンズは新次元の性能だと感じました。

機会があれば、絞った場合での比較もしてみたいと思います。

風景で使うズームレンズとは異なり、単焦点レンズでは味わい重視なレンズ選びをしています。
その中でも標準域のレンズとして2つの58mmレンズを使っています。

Nikon AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SL II

この2つのレンズは、スペックではなく表現力を追い求めているレンズであることが共通していますが、絵作りは全く異なる方向性を持っています。

価格帯は異なりますが、比較検討をされることも多いレンズだと思いますので、参考写真をご紹介致します。

NIKKOR : 開放F1.4
NIKKOR F1.4(1)

NOKTON : 開放F1.4
NOKTON F1.4(1)

最新設計のNIKKORでは湾曲が良く抑えられており、また開放からピント面の解像力が高いことがわかります。
芝のディテールなどを見るとわかりやすいですね。

ボケはどちらも好ましい写りですが、かなり出方が違っています。
NOKTONでは溶けるようなボケで、周囲の風景と混ざるかのように表現されます。
一方、NIKKORではピント面を外れると、すっと素直で綺麗なボケが広がります。
そのため、被写体と背景が明確に区別され、テントが背景から浮き立つように表現されることが特徴です。

次に、F2.8の写真を掲載します。

NIKKOR : F2.8
NIKKOR F2.8(1)

NOKTON : F2.8
NOKTON F2.8(1)

F2.8まで絞ると湾曲も周辺減光もほぼ無くなり、また解像力も高くなります。
敢えて言えば、背景の木々でNOKTONの方がパープルフリンジが多く出ていますが、特筆して「違い」は感じられません。
おそらく、開放F1.8のレンズでも同じような絵になると思われますので、やはり、開放F1.4のレンズは開放で撮らないと勿体ないですね。


続いて、もう少し差がわかりやすい構図で撮影したものを掲載します。

NIKKOR : 開放F1.4
NIKKOR F1.4(2)

NOKTON : 開放F1.4
NOKTON F1.4(2)

一目して、NIKKORの解像力の高さが目を引きます。立体感があります。
NOKTONの溶けるようなボケは吸い込まれそうな雰囲気があり、とても芸術的な味わいがあります。

NIKKOR : F2.8
NIKKOR F2.8(2)

NOKTON : F2.8
NOKTON F2.8(2)

少し絞ると差が縮まりますね。


以上にように比べてみると、NIKKORは立体感。NOKTONは濃厚な仕上がりに特徴があります。
それぞれの特徴が良く出た写真を掲載致します。
いずれも前髪にピントを合わせたものです。

NIKKOR : 開放F1.4
NIKKOR F1.4(3)

NOKTON : 開放F1.4
NOKTON F1.4(3)


家族などの人の写真を撮る場合は、どちらのレンズも魅力的に映るのではないでしょうか?
購入を検討される場合には、次のような点にもご留意下さい。
・NOKTONは、マニュアルフォーカスです。
・NOKTONは、レンズフードが別売りです。

Nikon AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
Voigtlander NOKTON 58mm F1.4 SL II

TAMRON SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD (A011N) を使って、サッカーの試合を撮影してきました。

カメラ歴は10年以上ありますが、基本的に風景写真しか撮りません。
スポーツの撮影と300mm以上の望遠レンズの取り扱いは初めてです。
スポーツ写真の素人が撮った作例としてご紹介します。

DSC_3288_FULL_Sig.jpg

本レンズは約2kgですが、超望遠レンズの中では非常に軽い部類に入るそうです。
しかし、カメラボディと合わせて約3kgもあるものを振り回し続けるのは辛いため、一脚と雲台を用意して臨みました。

一脚は、ある程度まともなものを探すとカーボン素材の上位モデルになるようです。
とはいえ、あまりお金を使うつもりはありませんでしたので、benro製の旧モデルにしました。

BENRO カーボン 一脚 ナットロックモデル C28T ベンロ

ナットタイプは現場で使いやすいです。脚もしっかりしていて、不満はありませんでした。
ただ、三脚と違って一脚は支えるだけの目的で使うため、カーボンの制振性は余り重要ではなく、もっと廉価のアルミのモデルでも良かったように思います。

一方、雲台は手持ちのリンホフの自由雲台を付けてみましたが、一脚の場合、脚が固定されないため、一度ノブを緩めたら最後、フニャフニャと安定するのに苦労しました。
Webで調べてみると、一脚用の雲台というものがあり、マンフロットの製品がとても安く、また評判も良かったため、これを購入しました。

Manfrotto 2WAY雲台 一脚ティルトトップ アルミニウム製 234

前後方向しか振れない構造のため、非常に取り扱いしやすいと思います。

DSC_3381_FULL_Sig.jpg

撮影は、できるだけ1/500以上で撮るように気を付けた以外、自由気ままに撮影しています。
ただ、カメラのAFの設定はコンティニュアスモードにしています。

AFの合掌速度は速く、非常に快適です。
ピンが決まると、シャープに写ります。

DSC_3347_FULL_Sig.jpg

初めての超望遠レンズなので、ライバルとの比較はできません。
けれど、大三元レンズを使った時に近い、満足のいく写真は得られるレンズです。
超望遠なんて、(モデルに関わらず)ボヤッと映るんだろうなと思っていましたが、決してそんなことは無いようですね。

TAMRON SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD (A011N)

D700でメインで利用している標準単焦点は2種類。

『Voigtländer Nokton 58mm F1.4 SL II』
『Sigma 50mm F1.4 EX DG HSM』

50mm と 58mm。
ほぼ同じ画角とは言えど、レンズメーカーが違えば、写りも違います。

一般的にNoktonは、味わい深い絵になり、
Sigma は高解像度でクリアな絵になる。
そういうことは購入前にもわかっていましたし、
実際に出てくる絵を見てもそう思います。

・・・が、きちんと写りを比較したことは無かったので、
時間を作って絵の比較をしてみました。

比較と言ってもシンプルです。
三脚にカメラを固定し、レンズを交換して、
それぞれ f1.4(開放) , f2.8 , f16(絞り最大)で
撮影を行いました。

ピクチャースタイルは階調がわかりやすいおとなしいもの、
WBは太陽光固定としています。


■ f1.4 での比較
1) Nokton
Nokton f1.4

2) Sigma
Sigma f1.4.jpg

3) コメント
本当に同じカメラか?というほど、絵が違います。
Noktonのボケは大変柔らかに消えていきますが、
Sigmaのそれは紅葉が浮き立つようにすっきりしています。


■ f2.8 での比較
1) Nokton
Nokton f2.8

2) Sigma
Sigma f2.8

3) コメント
f2.8まで絞っても傾向は変わりません。
デジタル時代の解像度とダイナミックレンジに優れたSigmaと
フィルムを感じさせるとろけるような階調のNokton。


■ f16 での比較
1) Nokton
Nokton f16

2) Sigma
Sigma f16

3) コメント
絞り最大での絵は、Sigmaのクッキリとした映りが目につきます。
とはいえ、絞り開放が一番差が大きいようです。


以上、簡単な撮り比べでしたが、
現代的な絵のSigma と 雰囲気重視の Nokton の
両方の特徴がよくわかる比較になったと思っています。

Noktonの作例は当ホームページ上でも載せておりますが、
大変こってりとした深みのある写真になります。

今のデジタル時代では、解像度重視のレンズは多数ありますが、
Noktonのような味わい重視のレンズはあまり見かけません。
仕上げの良さやヘリコイドの滑らかさも秀逸です。

個人的には、Noktonのようなレンズを持つのは
表現の幅が広がって、面白いと思っています。

それほど高いレンズでもありませんので、
ラインナップに加えてみてはいかがでしょうか?

Voigtländer Nokton 58mm F1.4 SL II

Sigma 50mm F1.4 EX DG HSM


D700にNokton 58mmを付けて試し撮りしてみました。

このNoktonは、元々F3用として購入したものなのですが、
肝心なF3の調子が悪くなってしまったため、
購入後からレンズが寝かされていました。

D700の標準ズームもやっと撮り慣れてきたところなので、
ここらで短焦点でも触ってみようかと持ち出しした次第です。


Noktonは、開放付近で柔らかなボケが楽しめます。
ニッコールレンズのボケとは異なる、この味わいが魅力で、
わざわざ標準画角を買い足した経緯があります。

そのため、この味がD700でどのように出てくるかが
大変興味のあるポイントです。


さて。撮って出しの写真が以下の3枚です。

SMALLDSC_0677_046.JPG

SMALLDSC_0672_047.JPG

SMALLDSC_0688_045.JPG
※この1枚は別の日。

午後の少し遅い時間に撮影したこともあって、
夕方前の穏やかな陽射しが色に乗ってきています。

肝心なボケですが、フォーカスを合わせた点から、
滑らかに像が滲んでいくのがわかります。
この優しい絵が目指すものです。合格ですね。


同じ被写体を他のレンズで撮り比べてみます。
Noktonの独特な味わいがわかりやすいと思います。

01NOKTON.JPG
Nokton 58mm/1.4

02Nikor 50mm.JPG
Ai-s Nikor 50mm/1.4

ニッコールレンズで撮ると、全体的にクリアに表現され、ボケも綺麗に消えていきます。
一方、Noktonでは濃淡があり、溶けるように表現されます。


どちらが良いというものではありませんが、
ボケの出方から、ポートレートにはNokton、
草花の写真にはニッコールが良いかなぁと思いました。


参考までに、他のレンズでの写真も載せておきます。
※前の2つよりも暗いレンズなので、開放でも被写界深度が深くなります。

03Nikor 55mm.JPG
Ai-s Micro Nikor 55mm/2.8

04Tamron.JPG
Tamron SP AF28-75mm/2.8 XR Di LD Aspherical


ところで、初めてNoktonを使った際に、
ファインダー上では、ピントを合わせているのに、
写った写真上では派手な前ピンになる現象が発生しました。

どうやら、そのままだとレンズとボディで
フォーカス位置が一致していないようですね。

純正のニッコールレンズでは無いので、
こういうこともあるんでしょう。

こういう時は、D700のAF微調整機能を使って、
フォーカス位置を合わせることができるので、活用されて下さい。
※私の機材の場合、-4調整して丁度良くなりました。