【レビュー】UniqBall UBH 35X

Uniqballをご存じでしょうか?

本社をハンガリーに置くメーカーで、かなり変わった製品を世に出しています。
その代表格が社名と同じ製品名の雲台です。
欧州において傑出した製品に送られるTIPA Award(アクセサリ部門)を受賞しています。

以前から非常に気になっておりましたが、雲台を買い換える機会があり、念願の購入に至りました。

UniqBall UBH 35 ballhead

Uniqballは、名前の通り、他の雲台には無いユニークな特徴を持っています。
それは、一度水平を取ったら、どの方向にレンズを向けても水平が崩れないという点です。

この言葉だけでは、今ひとつピンと来ませんよね?
本記事では上記点のメリットを中心にレビューをしていきます。

まずは、Uniqballの外観をご覧下さい。

パッと見た感じは、赤い色が目を引く自由雲台です。
でも、変なところが1点。クランプのノブが1つ多いのです。

話は変わりますが、皆さんが三脚を使う時、足場は常に水平な状態でしょうか?

岩場で足場が不安定だったり、フレームから手前のガードレールを追い出すため、わざと前の脚を縁石の上に載せることもあると思います。
そもそも地面が傾いているところで撮影しているということも多いのでは無いでしょうか。

このような状態の時、カメラの水平を取る必要があります。

私の場合、ある程度は脚の長さでバランスを取りますが、最終的には雲台で調整します。
カメラ内水平器を使って、フレーミングをしながら角度を調整していきます。

Uniqballもここまでは一緒です。

さて。一度、決めたセッティング。
ここからさらにフレーミングを微調整することは良くあることです。

その場合、改めてフレーミングしつつ、再び水平を取ることになります。
もっと言えば、同じ場所で連続して撮影する場合、何回かはフレーミングを変えてます。
そして、その度に水平器で水平を取る。
なんか、水平を取ってばっかり!

Uniqballは、この面倒臭い水平取りを解消してくれるのです。

まずは、普通の自由雲台と同じようにボールを動かします。
この時、フレーミングをする必要はありません。水平だけ取って下さい。

次にフレーミングを決めます。
この時に、動かすのは赤いボール部ではありません。
赤いボールは水平を取るためだけのものなのです。

では、どこを操作するのか。
赤いボールの中にある黒いボールです。

例えて言うと、自由雲台の中に自由雲台がいるような構造になっています。
この中の黒いボールは、前述の謎のノブを使い、緩めたり、締めたりします。

そして、この黒いボールは、カメラに対して「前後方向」と「水平方向」への運動しかできません。
要するに、絶対に横に傾かないのです。
観光地にある据え置きの双眼鏡をイメージして下さい。

下の写真は、上を向けた例です。
ボールを緩めても、この写真の手前側(あるいは奥側)にカメラが傾くことは絶対にありません。

まるでレベリング三脚と3Way雲台を組み合わせたような状況ですが、これをこの軽量な雲台1つで実現するのがUniqballの素晴らしいところです。

この状態になると、適当にカメラをグリグリ回しても、水平が崩れません。
下の3枚の写真のカメラ内の水準器をご覧下さい。どの方向に向けても水平が取れています。

いかがでしょうか。
大きく撮ってクロップする派の方はあまり魅力が無いかもしれませんが、私のように撮影時に構図を固めてシャッターを切る方の場合には、ちょっと気になる雲台ではないでしょうか。
野鳥撮りの方には急なアングル変更をしても水平が崩れないという点で、もっとメリットがあるかもしれませんね。

2018/7時点でUniqballを最安で手に入れる場合、Amazon.jp経由になります。
UniqBall UBH 35 ballhead

リテラシがある場合には、北米から輸入することでより安価に購入することも可能です。
UniqBall UBH 35X Ball Head with Bidirectional Clamp
ただ、初期不良や保証期間内の故障による対応などは、北米とやりとりすることになりますので、ややこしいことを避けたい場合には国内で購入することを推奨致します。